亜鉛は糖代謝・成長・味覚に必須のミネラル

各種酵素・タンパク質生成の鍵を握る金属元素

桜井 弘 著 1998.09.30 発行
ISBN 4-89295-390-3 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


亜鉛の重要な生理作用

亜鉛は糖代謝・成長・味覚に必須のミネラル

前項で、私たちの体の中には、亜鉛を含む酵素・タンパク質が200種類以上も存在して、とても重要な作用をしていることを述べました。これだけみても、私たちが生きていく上で、亜鉛がどれほど重要かがおわかりいただけると思います。
亜鉛の複雑な生理機能は、そのほとんどが未解明ですが、これまでにあきらかにされている亜鉛の生理作用を、つぎにまとめてみました。

◎細胞の代謝、成長を促す
私たちは、食物から得た栄養によって代謝をおこない、エネルギーを得ています。これを新陳代謝といいます。これによって、生き物の生命が維持されていくのです。代謝とは、もともと“古いものと新しいものが入れ代わる”ことをいいますが、亜鉛は、細胞の代謝をすすめ、体の成長を促します。

◎ホルモン作用の活性化
外界の変化に対応して、私たちの体が常に安定した状態にあるのは生体恒常性維持機能(ホメオスターシス)のおかげですが、その働きをささえているのはホルモンです。
現在、約40種類ものホルモンが発見されています。亜鉛はこれらのホルモンの合成や分泌を活性化して、体の微妙な調節に貢献しています。

◎糖や脂肪代謝を促し、食欲にも関係
私たちは、ついつい食べすぎたりして過剰な糖質(炭水化物)をとりがちですが、余分な糖質は脂肪になって体内に蓄積し、肥満の原因にもなります。
亜鉛は、糖や脂肪の代謝をすすめ、脂肪が蓄積することを防いでくれます。また、亜鉛を適正にとっていると、食欲も抑えられ、食べすぎるということもなくなると言われています。

◎細胞膜を安定化させる
細胞には、細胞を包む細胞膜があって、細胞膜を通して、酸素や栄養をとりいれ、必要でなくなった老廃物を細胞の外に排出する作業をおこなっています。
亜鉛は、細胞膜を安定化させ、細胞膜の透過性を高め、酸素や栄養の出し入れがスムーズにいくように働きます。

◎コラーゲンを合成し皮膚を新鮮に保つ
コラーゲンと呼ばれるタンパク質は弾力のあるしなやかな肌をつくります。亜鉛は、このコラーゲンを合成するはたらきを助け、若々しい皮膚を保つとも言われています。皮膚炎の治療に「亜鉛軟膏」が使われるように、健康な皮膚に亜鉛は不可欠です。

◎中枢神経に作用し精神を安定にする
中枢神経は、脳と脊髄を支配して体をコントロールしています。体のすべての臓器、器官は中枢神経の支配の中にありますが、それだけではなく精神の作用をも司っています。
亜鉛は、この中枢神経に作用し、生体内のバランスを保ち、精神を安定させる働きをします。

◎免疫系に働き、病気の回復を促す
病原菌を排除したり、伝染病などへの抗体をつくるメカニズムが免疫です。生まれながらにだれにでも備わっていますが、生活習慣や食生活の乱れ、ストレスなどがあると、免疫力は弱まります。免疫力が弱まると、いろいろな病気にかかりやすくなります。
亜鉛は、免疫系に働き、その働きを強め、病気の回復を促します。

◎ビタミンAの代謝を促す
ビタミンAは皮膚や呼吸器、消化管を覆う粘膜を保護したり、目の機能を正常に保つうえで不可欠のビタミンです。亜鉛はビタミンAの代謝を促します。
亜鉛欠乏が視覚障害を起こすのは、亜鉛の不足がビタミンAの代謝を悪くするからと考えられています。ビタミンAをいくらたくさんとっても、亜鉛が不足するとビタミンAは十分な働きができないのです。したがって、目を健康に保つためには、ビタミンAとともに亜鉛が必要です。

◎血中コレステロールを調節する
亜鉛はアルコール分解を促進する働きがあると前述しましたが、血中コレステロールを調節する働きもします。
過剰な血中コレステロールは動脈硬化の一因となりますが、亜鉛は体内の余分なものを消耗させ、コレステロール値を改善します。


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