亜鉛は糖代謝・成長・味覚に必須のミネラル

各種酵素・タンパク質生成の鍵を握る金属元素

桜井 弘 著 1998.09.30 発行
ISBN 4-89295-390-3 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


DNAの転写など遺伝情報を伝達する

亜鉛は糖代謝・成長・味覚に必須のミネラル

亜鉛フィンガーが調節役
すでに紹介しましたように、亜鉛は種々の酵素の活性中心に存在して、様々な生理活性の発現に関係しています。また酵素以外のタンパク質に結合して重要な機能を果たしてもいます。
アフリカツメガエルというカエルの仲間がいます。このカエルの卵細胞のDNA(デオキシリボ核酸)の転写に関係するタンパク質のアミノ酸配列の中には、特定のアミノ酸が繰り返しあらわれ、その部分に亜鉛が結合することが見いだされています。
例えば、左の図のような亜鉛フィンガーと呼ばれる構造が存在しています。このフィンガー部分がDNAやRNA(リボ核酸)の螺旋と結合して遺伝にかかわる機能を調節していると考えられます。

細胞の発生・分化などに深く関係
この亜鉛フィンガー状の構造は、その後、ステロイドホルモン、脂溶性ビタミンのレセプター(受容体)、ポリメラーゼ、レトロウイルス(エイズ、成人T細胞白血病の原因となるウイルス)の結合タンパク質あるいは骨粗鬆症に深く関係するビタミンD、詳しく言うと 1.25(OH)2D3のレセプタータンパク質として次々に発見され、細胞の発生・分化に関係する遺伝情報の保存、発現、制御、調節に関係していることが示されています。
これまでに述べてきました細胞の分裂、代謝、核酸代謝に亜鉛が関わることは、この「亜鉛フィンガー」の発見によって、はっきりと分子レベルで説明ができるようになってきました。

ガンの発生にも関係する可能性
転写因子などのDNA結合タンパク質には、ここで紹介した亜鉛フィンガーをはじめとして、亜鉛ツウィスト、リングフィンガー、亜鉛クラスターなど多様な亜鉛を結合するモチーフ構造が発見され、すべてはこれらを介してDNAに結合しているといわれています。
したがって、亜鉛が欠乏すると、DNAの転写などに影響を与え、ガンの発生にも関係する可能性が考えられます。


※図省略

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