乳がん予防・更年期障害に大豆イソフラボン

女性ホルモン様作用を持つ天然成分

矢澤 一良 著 1998.07.28 発行
ISBN 4-89295-389-X C2177  文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


イソフラボンで骨粗鬆症が抑制できた

乳がん予防・更年期障害に大豆イソフラボン

閉経モデルのネズミを使った実験
閉経後の骨粗鬆症に対する大豆の効果は主に大豆中のイソフラボンによって生み出されています。これは、多くの動物実験で立証ずみです。ここでは、静岡県立大学薬学部の辻邦郎教授らの研究を紹介してみましょう。
実験には、卵巣を摘出した雌のネズミを使っています。卵巣を摘出すると、女性ホルモンの分泌が激減して閉経後と同じ状態になり、そのまま放っておくと骨のカルシウム代謝が崩れて骨粗鬆症が急速に進みます。人の場合も同じです。
そこで、その卵巣摘出ネズミを三群に分けてそれぞれ次のエサで一ヵ月にわたって飼育し、大腿骨の骨密度および骨強度の変化を調べました。
@群…ふつうのエサ(対照群)
A群…ダイズイン(大豆イソフラボンの一種)を混ぜたエサ
B群…ゲニスチン(大豆イソフラボンの一種)を混ぜたエサ

その結果、卵巣を摘出後、ふつうのエサで飼育した@群のネズミでは、卵巣を摘出していない正常なネズミに比べて、統計的な有意差で骨密度の低下が認められました。一方、卵巣を摘出したあと、大豆イソフラボンの代表であるダイズインやゲニスチンを与えたネズミは、骨密度の低下が@群のネズミより明らかに抑えられました。また、ダイズインやゲニスチンを投与したネズミは、骨の強度についても@群のネズミより高く保たれることがわかりました。
つまり、大豆イソフラボンには、女性ホルモンの激減にともなう骨密度や骨強度の低下を抑える働きがあるということです。

人を対象にした調査でも「効果あり」
閉経後の骨の老化を防ぐ大豆イソフラボンの効果は、人を対象にした調査でも確認されています。京都大学大学院教授の家森幸男教授らの研究です。
対象となったのは、沖縄からブラジルに移住した閉経期の女性40名。これらの人たちを二群に分けて、一方の群にだけ大豆イソフラボンを1日50rずつとってもらい、もう一方は対照群として、両者の尿中のイソフラボン量と骨吸収マーカー(骨から溶け出るカルシウム量の目安となる物質=ピリジノリン、デオキシピリジノリン)の量を比較しています。
すると、3週間後には、イソフラボン摂取群で、尿中のイソフラボン量の有意な増加がみられ、同時に骨吸収マーカーの排泄量も徐々に低下し、10週後には、デオキシピリジノリンの減少量が、対照群とイソフラボン摂取群で統計的な有意差が認められたそうです。
つまり、イソフラボンの摂取によって、骨から溶け出すカルシウム量が明らかに減ったということです。
このほか、海外の研究では、閉経後の女性に92rのイソフラボンを含む大豆たんぱく食を毎日とってもらったところ、6ヵ月後には腰椎の骨量と骨密度が、ともに有意に増加したことが報告されています。
すでに、大豆イソフラボンとよく似た構造をもつ合成型のイソフラボンが骨粗鬆症の治療薬となっており、イソフラボン自体の薬効は厚生省のお墨付きでもあります。


卵巣摘出動物の骨に対するイソフラボンの効果


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