乳がん予防・更年期障害に大豆イソフラボン

女性ホルモン様作用を持つ天然成分

矢澤 一良 著 1998.07.28 発行
ISBN 4-89295-389-X C2177  文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


大豆食で乳がんの発生率が半分に?

乳がん予防・更年期障害に大豆イソフラボン

イソフラボンは抗がん成分の有力候補
1990年、アメリカ合衆国政府は、2000万ドルという莫大な国家予算をつぎこんで、がんを防ぐ食品に関する研究をスタートさせました。「デザイナーフーズ・プロジェクト(植物成分とがん予防研究)」と呼ばれるものです。
この大規模なプロジェクトには、医学、生化学、薬理学、食品工学など、あらゆる分野のエキスパートが参加し、世界最先端の知識と技術を集結して、がん予防に有効な食品探しが行なわれています。
同プロジェクトでは、これまですでに数十種類の野菜や、その有効成分を、抗がん食品としてノミネートしていますが、実はそこに、大豆イソフラボンが名をつらねています。

抗がん効果を立証する疫学データ
大豆イソフラボンの抗がん性が注目されるにいたった背景には、多くの疫学的研究があります。そのいくつかを紹介してみましょう。

@大豆の消費量が多い日本人は、欧米人に比べて血中や尿中のイソフラボン量が多く、ホルモン依存型のがん(乳がん、前立腺がんなど)の発生率が低い
Aシンガポールの女性のうち、大豆食品をほとんど食べない女性は、食べている女性に比べて乳がんになる危険率が約2倍におよぶ
Bハワイ日系人の20年にわたる調査では大豆食品をほとんど食べない人は、毎日食べている人に比べて前立腺がんの危険度が3倍になる
Cアジア生まれのアジア系アメリカ人女性は、アメリカ生まれのアジア系アメリカ人女性に比べて、毎日2倍以上の豆腐を食べており、豆腐の摂取量が多いほど、乳がんの危険率が低い
D日本人男性は、病理解剖すると多くの人に前立腺がん(潜在がん)が発見されるが、外国人男性に比べてその死亡率は低い。

イソフラボンの血中量


特にホルモン依存性のがんに有効
乳がんや前立腺がんなどの「ホルモン依存性のがん」に対しては、大豆イソフラボンの女性ホルモン様作用が効果的に働くと考えられます。
大豆イソフラボンの女性ホルモン様作用は、女性ホルモンが不足しているときはそれを補う方向に働き、逆に女性ホルモンが過剰のときはそれを抑える方向に働きます。
そのため、女性ホルモンの過剰が重大な引き金となる乳がんなどの抑制に、大豆イソフラボンの摂取は有効です。
事実、乳がん発生の初期は、すべて女性ホルモンと関係の深い細胞(エストロゲンレセプターをもつ細胞)にがんの増殖が起こることが知られていますが、大豆イソフラボンには初期の各種がんの増殖を抑える作用が確認されています。
また、大豆イソフラボンには、女性ホルモン様作用のほか、チロシンキナーゼ阻害活性や、がんが作り出す新生血管の阻害活性、抗酸化作用なども報告されています。
そうしたことから、乳がんや前立腺がん以外にも、大腸がん、肺がん、肝臓がん、胃がん、白血病など多くのがんの予防に対する有効性が期待されています。


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