
有機イオウ化合物の一種
関節の痛みに悩んでいる人たちのあいだで、にわかに脚光を浴びているサプリメントがあります。それがMSM(メチルサルフォニルメタン=Methyl-Sulfonyl-Methane)です。
MSMは、人を始めとする動物の体内や穀物・豆類・緑色野菜といった植物中の他、お茶、コーヒー、ミルクなどのありふれた食品中に広く見出されるイオウ化合物です。しかし、その量は微量です。MSMの名前からわかるように、有機イオウ化合物で、その3分の1をイオウが占めています。
必須ミネラル・イオウの役割
イオウは、私たちの生命維持に欠かせない必須ミネラルの1つです。必須ミネラルとは、体の中で作り出すことができないため、絶えず日常の食事で補っていかなければならないミネラルを指します。
イオウは、カルシウム、リンに次いで人体内で3番目に多いミネラルですが、日本を始め、ほとんどの国でいまだ所要量は設定されておりません。
しかし、イオウ化合物は体にとって重要でユニークなものが多く存在します。
例えば、必須アミノ酸のメチオニン、システイン、タウリン、ペプチドのグルタチオン、アデノシルSメチオニン、ビタミンB、ビオチン、α―リポ酸、ニンニクのアリシンおよびブロッコリーのスルフォラファンなどをあげることができます。
これらはいずれも、体の働きを円滑に維持し、若さと美しさを保つうえで重要な役割を演じています。
イオウの補給源としては、メチオニンとシステインの必須アミノ酸がよく知られています。MSMのイオウは、これら二つのアミノ酸のイオウに取り込まれることが、近年の研究で明らかになり、MSMも重要なイオウ源であることが判明しました。