沖縄モズクフコイダンで樹状細胞の免疫力アップ

がん、胃・十二指腸潰瘍、メタボ対策に最適な海の恵み

阿部 博幸 著 2008.11.23 発行
ISBN 978-4-89295-628-7 C2177  文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


免疫療法の主役は「樹状細胞」

沖縄モズクフコイダンで樹状細胞の免疫力アップ

樹状細胞療法に着目
私のクリニックでは、がんの患者さんに対して標準的な三大療法に加え、早くから「免疫療法」を併用して大きな成果をあげてきました。
免疫療法と一口にいってもいろいろ種類があります。そのうち、私がいま最も力を入れている療法の1つが、「樹状細胞療法」です。
まずは、免疫というしくみがどのようなものであるのかを説明しましょう。

免疫は体内に組織された軍隊
免疫とは、もともと体にそなわっている異物(非自己)を排除するしくみのことです。
たとえば、私たちの体の中には、呼吸や食事をするたびに無数の病原菌が侵入してきます。これらが体にとって異物なのはいうまでもありませんが、他にも花粉や化学物質(医薬品を含む)、さらには体内で生じる「がんの芽」も、異物として排除の対象となります。
免疫の力は非常に強くて、いわば軍隊のような組織力でがんの芽を排除していきます。

免疫の最前線で働く「食細胞」
免疫部隊で活躍するのが「白血球」と呼ばれる兵士たちです。
白血球はそれぞれ役割が決まっていて、最前線で体内をパトロールしているのが、単球という兵士です。
単球は、がんの芽が生じたのを察知すると、より強い白血球に変身して真っ先に現場にかけつけます。樹状細胞やマクロファージと呼ばれる「食細胞」がそれです。
これらの食細胞は、その名が示すように食欲がとても旺盛で、がんの芽を見つけるやいなや、むしゃむしゃと食べはじめます。
多くの場合、がんの芽は食細胞によって即座に食べ尽くされ、後で述べるNK細胞やNKT細胞によって殺傷されます。

抗原提示能というしくみ
食細胞は、自ら最前線で異物を処理するほか、免疫のスターターとしても重要な任務を負っています。
すなわち、食べた異物の情報を後方の陣地(リンパ節)で待機している仲間に伝え、応援要請するのです。「抗原提示能」と呼ばれる働きです。
食細胞によってリンパ節に異物の情報が持ち込まれると、その異物に標的を絞った戦略が組まれます。
すなわち、食細胞が水際でがんの芽の処理にあたっている数日間のあいだに、強力な支援部隊が構築され、ここからがんの芽と免疫部隊の全面戦争がスタートするのです。

樹状細胞の優位性
ところで、免疫の初期の段階では、樹状細胞とマクロファージはよく似た働きをします。そのため、従来、樹状細胞はマクロファージの一種として扱われ、単独で注目されることはありませんでした。
ところが、最近の研究で、樹状細胞のすぐれた働きが次々と明らかになりました。たとえば、抗原提示能については、マクロファージの百倍くらい強いことが判明しています。
免疫の重要なキーワードである樹状細胞の抗原提示能について、もう少し詳しく説明しましょう。

リンパ球と樹状細胞の関係
リンパ節には、未成熟の予備兵である「T細胞」が待機しています。
樹状細胞から情報を受けたT細胞は急速にパワーアップして、3つに分化します。3つというのは、異物を攻撃する「キラーT細胞」と、周囲のリンパ球を元気にする「ヘルパーT細胞」、そして免疫の暴走を制御する「サプレッサーT細胞」です。
じつは樹状細胞は、これらのT細胞の分化に関与したり、活性化する働きもあります。
また、癌との全面戦争には、T細胞のほか、NK細胞やNKT細胞といった強力なリンパ球も参戦しますが、これらの活性化にも樹状細胞は関与しています。
樹状細胞の旗振りで、おのおののリンパ球が本来の力を発揮すれば、がんの芽を一網打尽に排除することができます。

病原菌退治にも必須
ガンだけでなく、体外から病原菌などの異物が侵入した際にも、同じような免疫のしくみが作動します。
ウイルスが侵入した場合は、前記の作用に加えて、樹状細胞は強力な抗ウイルス作用をもつ「インターフェロン」を大量に産生します。これは抗原提示能と並ぶ、樹状細胞の主要な働きの1つです。つまり、樹状細胞はウイルス感染の予防にも大きく貢献するのです。
いわば樹状細胞は免疫の「指令塔」であり、この樹状細胞を利用するのが「樹状細胞療法」です。


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