微量でも驚異の貢献度 各種ミネラルの働き

これで納得!ミネラルがもたらす生理作用の数々

桜井 弘 著 2000.01.24 発行
ISBN 4-89295-403-9 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


リン(P)

微量でも驚異の貢献度 各種ミネラルの働き

不足の心配はない、過剰に注意
リンは体の約一・〇%を占め、成人には約七〇〇gが含まれる。その八〇%はカルシウムと結合してリン酸カルシウムとなり、骨や歯の主成分を構成している。骨以外のリンは、全身の細胞に分布している。
リンは細胞外よりも細胞内に多く、細胞膜や核酸など生体を構成する重要な成分の一つとして、また細胞核中には遺伝に関係する核酸(DNAやRNA)の成分として存在する。脳細胞や神経細胞には、レシチンとよばれるリンを含む脂質分子が豊富に存在し、神経刺激の伝達に必要であるのみならず、脳の活性化や痴呆症の防止に役立っている。
さらに、単細胞から人にいたるまであらゆる生体に存在して、エネルギーを必要とする過程で用いられるリンを含む最も重要な化合物としてATP(図2)が知られている。ATPは、栄養物質の酸化の過程(糖の分解や酸化的リン酸化)で作られ、タンパク質の生合成や筋肉の収縮などにより消費される。ATPが分解してリン酸とADPになるとき、pH7(生理的ピーエッチという)では、ATP一分子あたり七キロカロリーのエネルギーが作られる。
リンはほとんどすべての食品に含まれるので不足することはないが、むしろとり過ぎを注意すべきであろう。日本人はカルシウムを一日に六〇〇rとることを下回っているが、リンは一日に一三〇〇rをとっていると言われている。
肉や卵などの高タンパク食にはリンが多く、穀類や豆類にはフィチン酸の形でリン酸が含まれている。一方、ハムやソーセージ、インスタントラーメン、スナック菓子などの加工食品には、食品添加物としてポリリン酸やメタリン酸が、またドリンク剤や飲料水には酸味をつけるためにリン酸が加えられている。
これらのリン酸を含む化合物は体内のカルシウムやマグネシウムと結合して、体外に排泄させる可能性がある。したがって、食品の摂取には、カルシウムやマグネシウムを豊富に含む食品を共にとる必要がある。
また、リン脂質、レシチンには健脳効果があるために、未精製の穀類や大豆などを心掛けてとることが望ましい。


※図省略


その他の各種サプリメント関連書籍