微量でも驚異の貢献度 各種ミネラルの働き

これで納得!ミネラルがもたらす生理作用の数々

桜井 弘 著 2000.01.24 発行
ISBN 4-89295-403-9 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


ニッケル(Ni)

微量でも驚異の貢献度 各種ミネラルの働き

ピロリ菌との意外な関係
ニッケルは成人の体には約一〇r含まれている必須微量元素である。ニッケルは骨、肺、皮膚、腎臓、肝臓、心臓に見い出される。
血漿中ではニッケル濃度は狭い範囲で一定に保たれ、ニッケルプラスミン(ニッケルとマクログロブリンと糖タンパク質の複合体)やニッケルマクログロブリンとして存在している。肝硬変、尿毒症や腎不全では、血漿中のニッケル量が低くなり、潜在的なニッケル欠乏症ではないかと考えられている。
一方、急性心筋梗塞や急性脳卒中では、血漿中のニッケルが増加すると言われているが、詳しいことは分かっていない。
ニッケルの生理作用には、RNAの安定化、鉄の吸収促進、多くの酵素系の活性化、ホルモン作用への関与、糖代謝の促進作用などが知られている。
ニッケルを含む重要な酵素にウレアーゼ(尿素分解酵素)がある。一九二六年にナタマメから単離結晶化され、一九七五年に活性中心にはニッケルを含んでいることが明らかにされ、一九九五年にはX線により三次元構造が明らかにされた。
消化性の胃潰瘍の発症は、ストレスや消化器の除菌系の低下によると考えられている。一九八三年に、胃潰瘍の粘膜からラセン状の細菌ヘリコバクター・ピロリが病原菌として発見された。この菌はウレアーゼをもっていて、体の尿素をアンモニアに分解して胃の酸性から自からを守っていると考えられている。
したがって、胃潰瘍や胃ガンへの進行を防ぐには、抗生物質によりヘリコバクター・ピロリを除菌するか、阻害剤を用いてウレアーゼを不活性にする手法が考えられる。
ニッケル合金で作ったネックレスやピアスなどを身につけていると、汗や血液によって金属ニッケルがニッケルイオンとして溶け出すことがある。これがタンパク質などと結合すると抗原性を示し、体の中で免疫反応が進行し、接触性皮膚炎やアレルギー症を起こす可能性がある。


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