微量でも驚異の貢献度 各種ミネラルの働き

これで納得!ミネラルがもたらす生理作用の数々

桜井 弘 著 2000.01.24 発行
ISBN 4-89295-403-9 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


ヨウ素(I)

微量でも驚異の貢献度 各種ミネラルの働き

海藻類の摂取で欠乏症なし
ヨウ素は成人の体内には平均して一一r存在し、甲状腺中には五〇〇r/gがあり、他の組織に比べて圧倒的に多い。続いて肝臓(〇・二r/g)で、それ以外の臓器については平均して〇・〇二―〇・〇七r/gの割合で存在する。筋肉中のヨウ素濃度は低いが、筋肉は最も量の多い組織であるため、総量で比較すれば甲状腺についで二番目となる。食物からとったヨウ素は、小腸から一時間以内に一〇〇%吸収される。
ヨウ素が欠乏すると甲状腺腫になることは、古く一二八〇年頃に知られていた。当時、甲状腺腫の治療には焼いた海綿が用いられていたが、スイスの医師コインデルトが一八二〇年に、甲状腺腫の治療には、海綿や海藻中のヨウ素が有効であることを明らかにした。
一方、甲状腺中にヨウ素が多いことが一八八六年に見つけられ、その後ホルモンとしてT4やT3という形で存在していることが、それぞれ一九一五年と一九五二年に明らかにされた。この両ホルモンは生体熱の産生を高め、RNAを活性化してタンパク質合成を促進することが知られている。熱産生は、呼吸促進、物質代謝促進、そして心臓の拍動数を増加させるなど多くの作用に関係している。
日本人は海藻類を比較的多くとっているため、一日の摂取量が一〇〇μg以下になることはなく、欠乏症の心配はない。
しかし、海から離れた大陸性の国々では、土壌中のヨウ素が低いとヨウ素欠乏症が多く見られる。地球的規模でみると、ビタミンAと鉄欠乏症に続いてヨウ素欠乏症が発生しており、これらを合わせて三大欠乏症とよんでいる。アメリカやヨーロッパの国々では、食卓塩にヨウ素を添加して発売している。


その他の各種サプリメント関連書籍