
睡眠の不満は人によって多彩
いま日本では、5人にひとりが睡眠に不満を抱いているといわれています。
睡眠に対する不満は人によってじつにさまざまです。「布団に入ってもすぐに寝つけない」「いくら寝ても眠い」「夜中に何度も目覚める」「午前中は眠くて仕方がないのに、夕方になると頭がさえてくる」などはその代表で、睡眠中の異常行動(睡眠時随伴症)によって、睡眠が十分にとれていないケースもあります。
こうした睡眠に関する症状を総じて「睡眠障害」といいます。
レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠障害は、睡眠の「質」が悪くなることで起こります。
睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠という2つのタイプの睡眠が繰り返されることで成り立っています。
通常は左ページの図のように、就寝直後からどんどん深い眠りに落ちていきます。これがノンレム睡眠です。そして、深い眠りにおちてしばらくすると、今度は少しずつ眠りが浅くなり、やがてレム睡眠を迎えます。
レム睡眠中は、体は眠った状態(弛緩状態)にありますが、脳は活性化されていることから、目がキョロキョロ動いたり、夢を見るのもこのときといわれています。
健康な睡眠では、こうしたレム睡眠とノンレム睡眠の周期が、ひと晩に90分単位で3〜5回繰り返されます。この睡眠サイクルが何らかの原因で崩れると、睡眠の質が悪くなり、睡眠障害を覚えるようになるのです。