メタボ、がん、加齢に克つラクトフェリン

母乳に豊富な成分が全身の若返りに役立つ

原田 悦守 著 安藤 邦雄 監修 2007.11.29 発行
ISBN 978-4-89295-624-9 C2177  文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


ラクトフェリン食品の落とし穴

メタボ、がん、加齢に克つラクトフェリン

おとなにとっても重要な成分
そして実は、ラクトフェリンの働きは赤ちゃんだけでなく、離乳後の子供や成人にとっても欠かせないものであることが、最近の研究でわかってきました。
ラクトフェリンは、体内でも一日0・08〜0・1gほど合成されていて、涙や唾液、消化液、粘液といった体液に広く存在しています。また、心臓や脳、肝臓など、あらゆる組織にラクトフェリンを受け入れるドア(リセプター)が設けられていることも知られています。
これはラクトフェリンが全身の組織の機能に深く関わっていることを示しています。

おとなが母乳を飲んでもダメ
最近は市場にさまざまなラクトフェリン含有食品が出回っています。
しかし、離乳後の子どもや成人が、母乳を飲んだり、ラクトフェリンをそのまま摂取しても、本来の健康効果はほとんど得られません。なぜなら、離乳期を境に消化システムが大きく変化するからです。
乳児が母乳を飲んだ場合は、胃から分泌される胃酸やレンニン(チモシン)という消化酵素が働いて、母乳を白いかたまりのカード(curd)と、黄色い半透明の乳清に分けて、胃から小腸へ小分けして送り込みます。このとき、ラクトフェリンは乳清に含まれた状態で小腸へ行きます。そして小腸から吸収され、さまざまな効果を発揮します。

離乳期を境に消化酵素が変化
一方、離乳期に向けて、強酸性で作用する「ペプシン」という消化酵素が胃から活発に分泌されるようになります。
ペプシンは、食物中のたんぱく質を分解して吸収しやすくするとともに、食物と一緒に入ってくる微生物を退治する役目を担っています。
ラクトフェリンは、胃の中でペプシンにさらされると、急速に消化分解されてしまいます。通常、食物は胃の中に2時間以上とどまっているので、小腸へ送られるときには、ラクトフェリンは元の量のごくわずかしか残っていないことになります。
つまり、離乳後の子どもや、おとながラクトフェリンを摂取しても、大半が胃で分解され、体内にはほとんど吸収されないわけです。
ちなみに、空腹時にラクトフェリンを単独で摂取した場合は、ペプシンの作用をあまり受けずにすみますが、その場合でも、小腸まで届く量は半分以下と考えられます。また、一度に大量摂取すれば、ある程度のまとまった量のラクトフェリンが小腸へ届きますが、それでは効率が悪く、一定の効果が期待できません。
事実として、ラクトフェリンが胃で消化分解されて抗菌作用の強い物質が生成することがわかっていますが、当然のことながら、これはラクトフェリンという生理活性たんぱく質ではなくなっています。




その他の各種サプリメント関連書籍