体の中の鉄のはたらき

貧血予防・意欲向上などに欠かせない微量栄養素

桜井 弘 著 1997.11.25 発行
ISBN 4-89295-383-0 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


鉄を多く含む食品と吸収率

体の中の鉄のはたらき

含有量と吸収率は異なる
鉄を十分に取り入れるには、鉄を多く含む食べ物を選ぶべきことは、いうまでもありません。表3(=17頁上)に、鉄を比較的多く含む食品をいくつか挙げました。詳しくは、科学技術庁の『日本食品標準成分表』などが役に立つことと思います。
ところで、原材料にいくら鉄が含まれていても、調理の過程で鉄が失われてしまっては意味がありません。また、さらに鉄がどのような“化学的な形”で原材料に含まれているかも極めて重要なことです。たとえば、表3と図2(=17頁下)をご覧ください。
ほうれん草と牛肉100グラムあたりの鉄含量はほぼ同じですが、吸収率に関してはかなり大きな差が見られます。
食べ物中の鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄の形に分類されます。肉類からとったヘム鉄の消化管からの吸収率は12〜20%と高いのに比べて、大豆、小麦あるいはほうれん草から取り入れた非ヘム鉄からの吸収率は2〜7%程度に過ぎません。

肉は野菜と一緒に食べるのが効果的
また、食べ物の中にヘム鉄と非ヘム鉄の両方があるときは、ヘム鉄は非ヘム鉄の吸収を促進させることが知られています。野菜と共に肉を一緒に食べることは、鉄の吸収率を上げるためには望ましいことと言えるでしょう。
そして、ビタミンC(アスコルビン酸)も非ヘム鉄の吸収を高めます。逆に、お茶などに含まれるタンニン類や食物繊維、穀類などに含まれるフィチン酸などは鉄と結合して水に溶けない複合体(錯体)を作ってしまうため、吸収されずにそのまま排泄されてしまうことも最近分かってきました。
食べ物から有効に鉄をとる工夫をしながら、食の在り方を考えることが大変重要に思えます。


※図表省略




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