がんの増殖・転移を防ぐ包接プロポリス

包接化で機能性アップ、老化防止や美容効果も

寺尾 啓二 丸田 浩 共著 2010.12.12 発行
ISBN 978-4-89295-810-6 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


がんの増殖や転移を抑制する

がんの増殖・転移を防ぐ包接プロポリス

PAKを遮断する
がん全体の三〇%が発がん遺伝子Rasが関与していることがわかっていますが、このRasが腫瘍を発生させるには、PAK(活性化酵素)の存在が必須となります。そこで、PAKの働きを遮断し、腫瘍の増殖を抑える目的で開発された抗がん剤が、PAK遮断剤です。
最近では、ヒトのがんの七〇%がこのPAKに依存し、残りの三〇%が他のキナーゼ(酵素)に依存しているとの研究報告もあります。PAK遮断剤の重要性は、ますます高まっているといえるでしょう。
プロポリスには、さまざまな抗がん作用がありますが、前項で述べたように、PAK遮断効果も持っているため、この面からもがんの抑制に力を発揮します。

細胞毒性と細胞増殖抑制作用
CAPE(コーヒー酸フェネチルエステル)は正常細胞には作用せずに、がん細胞だけに障害を与えたり、あるいはがん細胞の増殖を抑制したりします。これらの作用は、CAPEの代謝産物であるコーヒー酸によるものです。
だからといって、コーヒー酸そのものを摂取しても抗がん作用は得られません。コーヒー酸の細胞膜透過性は低く、そのままの形では細胞に取り込まれないからです。
しかし、フェネチルエステル化する、つまりCAPEの形に変化すると細胞に取り込まれやすくなり、細胞内で加水分解されて、再びコーヒー酸に変わります。
このように、抗がん作用を得るためには、CAPEとして摂取することが不可欠なのです。
また、コーヒー酸の二つの水酸基のうち、その一つがメチル化したフェルラ酸では、抗がん作用が示されないことも明らかになっています。

がんの転移を抑制
抗がん剤では、がんの転移を抑制できませんが、CAPEにはがんの転移抑制作用のあることが、次のような実験でも確認されています。
二万個の肝転移性がん細胞(colon26―L5細胞)を尾の静脈から接種した複数のマウスにCAPE(五r/mice)を一日一回、七日間経口投与し、接種後一五日目に肺のがん重量を測定しました。
接種前に同様にCAPEを投与したグループ(六匹)では、転移の抑制は認められなかったのに対し、接種後に投与したグループ(六匹)では、約五〇%の抑制が確かめられています。
しかも、シスプラチンなどの抗がん剤投与でみられる体重減少は認められなかったことから、安全性が高いとの評価がなされています。
転移の抑制は、CAPEの細胞毒性とがん細胞増殖抑制作用によるものと考えられ、このがん細胞増殖抑制作用には、CAPEの抗酸化作用とアポトーシス促進作用が関与しているものと考えられます。
正常細胞に比べ、がん細胞の活性酸素種(ROS)は高濃度で維持され、細胞増殖に関するシグナルのセカンドメッセンジャーとして働いているとされています。CAPEはその抗酸化作用により、この活性酸素種(ROS)の生成を阻害することで、細胞増殖を抑制します。
なお、アポトーシスとは、プログラムされた細胞死のことで、体内の異常な細胞を自殺させ、除去してしまうのも重要な働きの一つです。
しかし、がんの場合はアポトーシスが低下した状態にあり、細胞増殖が抑制されません。これに対し、CAPEは、低下したアポトーシスを正常な状態に戻すように作用するので、細胞増殖が抑制されるようになるのです。
がんの転移抑制には、加えてCAPEがVEGF(血管内皮成長因子)の産生を阻害する作用も役立っています。血管形成に関与するVEGFは、高濃度状態になると、さまざまながんの転移性を高めてしまうからです。


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