肺がん、がん免疫療法にラクトフェリン

各種がん患者のQOL(生活の質)向上に役立つ

安藤 邦雄 著 2009.12.16 発行
ISBN 978-4-89295-805-2 C2177  文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


末期の肺がんにここまで効く

肺がん、がん免疫療法にラクトフェリン

米国の臨床試験の成果
最近、がんに対するラクトフェリンの研究で、注目すべき進展がありました。
米国テキサス州ヒューストンで、1993年からラクトフェリンの研究を続けてきたアジェニクス社が、人を対象とした臨床試験で、肺がん(非小細胞肺がん)に対するラクトフェリンの有用性を世界で初めて証明したのです。
肺がんは、がんの中でも治療の困難ながんとして知られています。
WHO(世界保健機構)によると、世界中で毎年120万人が肺がんと診断され、110万人が死亡しているといわれています。米国ではがん死亡の30%近くを占めていて、日本でもがんの死亡原因のトップとなっています。
アジェニクス社は、進行性あるいは転移性の末期の肺がんで、手術ができない患者さん110名を対象に臨床試験を行なっています。
試験ではまず、対象者を2つのグループに分け、それぞれ以下の治療を行ないました。

T群:標準化学療法(カルボプラチンとタキソールの投与)+ラクトフェリン
U群:標準化学療法+ラクトフェリンとよく似た形状をした偽薬

標準化学療法は1クール3週間で、このうち1、3、5クールの開始直後からラクトフェリンを35日サイクルで摂取してもらっています。
そして、「固形がん評価基準」に基づいて、CTスキャンによる評価が最高の改善効果を示した点を治療のエンドポイントとしました。
その結果、治療の有効率は、対照群29%に対し、ラクトフェリン併用群は47%となりました。
統計学的に有意な差で、ラクトフェリン併用群のほうが、高い抗がん効果がみられたのです。
しかも、ラクトフェリン併用群では、抗がん剤の副作用も少なかったと報告されています。

FDAが有効性に注目
この試験は、二重盲検法と呼ばれる形で実施されました。
二重盲検法とは、対象となった患者さんと担当医には、どちらのグループがラクトフェリンを摂取しているのかを最後まで知らせずに行なう試験法です。心理的な影響が避けられることから、信頼性の高い結果が得られます。
ラクトフェリンは、そうした厳密な試験で見事に効果が立証されたわけです。

ラクトフェリン単独の効果
さらに、アジェニクス社では、末期の肺がんの患者さんに、ラクトフェリンだけを単独でとってもらう二重盲検も実施していますが、ここでは延命効果が確認されています。しかも、副作用のようなものはまったくみられなかったといいます。
以上のような結果を受けて、米国FDA(米国食品医薬品局)は、ラクトフェリンの有効性と安全性は明らかであり、2008年1月18日、ラクトフェリンが、肺がん(非小細胞肺がん)の治療薬として最終段階の試験(第三相試験)に入ることを承認。現在、試験および準備が行なわれています。
つまり、米国では、ラクトフェリンが「がんの治療薬」として認証される可能性が高まってきたのです。

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