マクロファージ活性化に小麦発酵抽出物

免疫力を高めて生活習慣病に打ち勝つ天然の素材

杣 源一郎 著 2008.10.25 発行
ISBN 978-4-89295-627-0 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


マクロファージを元気にする食品

マクロファージ活性化に小麦発酵抽出物

「人の体のなかには健康を支えるしくみがある」

私の恩師である水野傳一先生(東京大学名誉教授)は、いつもそうおっしゃっていました。そのしくみを探るなかで、先生が最も注目されたのが「マクロファージ」という免疫細胞でした。

マクロファージは、アメーバーから人間まで、地球上のあらゆる動物の体内に存在します。しかも、全身の組織に存在するのが特徴です。こうした細胞は他にはありません。

そこで水野先生は、マクロファージを元気にする物質が見つかれば、病気の予防はもとより、病気になった人の回復にも役立つと考え、研究グループを立ち上げました。その研究の中心に据えられたのが、当時30代前半の私でした。およそ20年前のことです。

このとき、水野先生は、ターゲットを一般の食品にしぼるように提案されました。日常、口にしている食品の成分であれば、安心・安全に利用できるという理由からでしたが、これは当時としては画期的なことでした。今でこそ、食を通じて健康を維持するという考え方は広く認知されていますが、20年前の西洋医学では異端もいいところでした。

西洋医学はよく「臓器を診て人を診ない」といわれます。つまり、人間の体を臓器や細胞、ひいては細胞内の分子レベルで診断し、異常のある部位にピンポイントで作用する化学薬品の開発に邁進してきたわけですが、じつは水野先生は分子生物学の大家で、もとは西洋医学の王道を歩んでおられた方でした。

しかし、研究を進めるなかで、化学薬品は体にとってあくまで異物であり、負担が大きいことから、やはり臓器単位ではなく、人間を丸ごと診る「全人的医療」が大切であること、そして化学薬品による治療より、まずは体にそなわっている健康を支えるしくみを強化して病気を予防することが先決だという考え方に到達されたのでした。

私たちの研究グループは、マクロファージを活性化する物質を発見すべく、あらゆる食品のスクリーニングに着手しました。そうして見いだしたのが、本書で紹介する「小麦発酵抽出物」です。

小麦発酵抽出物は、2章で紹介するように、私たちが日常的に摂取している天然の素材です。まだ解明されていない部分もありますが、長い食経験があるため、安全性については歴史的な裏づけがあり、基礎研究および臨床試験も20年にわたるエビデンスが揃っています。

また、小麦発酵抽出物は、産官学の連携の賜物でもあります。私たち(大学)の生み出した研究成果が、「官(行政)」の後ろ盾で、「産(企業)」によって広く普及することになったわけですが、国の支援が得られたことも、本素材の重要性を示しています。

事実、マクロファージの活性化に役立つ小麦発酵抽出物は、感染症のみならず、生活習慣病やメタボリックシンドローム、アレルギーといった現代に蔓延している深刻な慢性疾患の予防と改善に大変有効です。今後の高齢社会を乗り切る上で心強い味方となるでしょう。


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