体脂肪を減らし、肥満・成人病を防ぐCLA(共役リノール酸)

無理なく健康的にやせる話題の健康食品

矢澤 一良 著 1998.12.25 発行
ISBN 4-89295-393-8 C2177  文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


従来のリノール酸とはここが違う

体脂肪を減らし、肥満・成人病を防ぐCLA(共役リノール酸)

名前は似ててもまったく別の物質
ところで、CLAは、日本名が「共役リノール酸」ということもあって、リノール酸と混同されがちです。しかし、両者は構造的にも効能的にもまったく別の物質です。効能的には正反対といってもいいほどです。そこで、混乱を避けるため、CLAとリノール酸の違いについて簡単に説明しておきたいと思います。

構造上の微妙な違いが大きな差に…
脂肪酸は、どれも炭素(C)と水素(H)と酸素(O)からできています。しかし、それらの結合のしかたはさまざまで、なかには炭素同士が二重に結びついた部分をもつ脂肪酸もあります。そうした二重結合を2箇所以上もつ脂肪酸を「多価不飽和脂肪酸」といい、リノール酸とCLAはこれに分類されます。
ただし、左図でわかるように、リノール酸とCLAでは二重結合の位置に違いがあります。リノール酸は、二重結合(=)の間に炭素の単結合(−)を二つはさんでいますが、CLAはどのタイプも炭素の単結合を一つしかはさんでいません。
実は、この微妙な違いが両者をまったく別の性質の物質にしているのです。まずリノール酸から説明してみましょう。

リノール酸と共役リノール酸


リノール酸のとりすぎは問題!
リノール酸は、主に植物の種子に豊富に含まれる脂肪酸です。特に、ベニバナやヒマワリ、月見草などの種子に多く、それらから搾り取った油が「植物油」として市場にたくさん出回っているのはご存じのとおりです。
私たちがリノール酸を食べると、全身の約60兆個におよぶ細胞の膜の中に取り込まれます。そして、細胞膜の構成分として、細胞の働きを助けています。
このリノール酸なしで、人は生きていけません。それほど重要な成分ですが、人体内では作り出すことができないため、私たちはリノール酸を毎日の食事で随時補給していく必要があります。
リノール酸が不足すると、からだにさまざまな障害が起きてきます。成長の遅れや不妊、皮膚の病変はその代表です。
とはいえ、現在の日本では、リノール酸が不足する心配はまずありません。そもそも必要量はごく微量ですし、一時期リノール酸系の植物油が「からだにいい油」として話題になって以来、その需要が一気に増したため、いまではむしろ取りすぎによる弊害が懸念されています。実はリノール酸の取りすぎは、成人病の引き金になることが多くの研究で報告されているのです。

CLAは不足している
一方、そのリノール酸から変化してできるのが、CLAです。
体内に吸収されたCLAは、リノール酸と同じように細胞の膜に取り込まれ、細胞の働きに寄与しています。
しかし、CLAはそこでリノール酸にはない特有の効果を発揮します。体脂肪を減らす作用、抗がん作用、抗酸化作用などがそうです。ただし、これらの効用を得るには、一定量以上のCLAが必要です。
リノール酸のとりすぎが問題になっている現状を考えれば、そのリノール酸から生じるCLAも十分とれているはずです。ところが実際は、大幅に不足しているといわれています。なぜなら、人体内でリノール酸から生じるCLAの量はごくわずかにすぎないからです。
私たちのCLA補給源は、あくまで動物性食品が主で、リノール酸由来のCLAはおまけのようなもの。とても肥満や成人病対策に足りる量ではないのです。
ですから、現在の日本では、リノール酸の摂取は控えめにして、CLAを積極的に補給する――これが肥満や成人病を防ぐ重要なキーワードになります。


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