ストレスと痛みを緩和する母乳成分ラクトフェリン

現代人の心身を癒す「多幸感物質」の驚くべき作用

原田 悦守 木元 博史 共著 2005.07.23 発行
ISBN 4-89295-605-8 C2177  文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


不安をやわらげ、ストレスを軽減

ストレスと痛みを緩和する母乳成分ラクトフェリン

赤ちゃんラットを使った実験
脳の中でのラクトフェリンの働きについては、原田らの研究で驚くべき事実が次々と明らかになっています。順に紹介しましょう。
まず、ラクトフェリンには、ストレスに対する抵抗力を高める働きがあります。それは次のような実験で立証されました。
生まれたばかりのラットは、生後1週間くらいまでは脳機能が十分に発達していないため、ストレスをかけてもほとんど反応しないことが知られています。しかし、10日目の赤ちゃんラットは、母親と引き離すと、途端に強いストレスを感じ、超音波の鳴き声を発しながら、必死で母親を探し始めます。
そこで原田らは、母親と引き離す前に赤ちゃんラットにラクトフェリンを十分に与え、その行動の変化を調べました。
すると、前もってラクトフェリンを投与した赤ちゃんラットは、母親を探す運動量(探索行動)が明らかに減り、母親を呼ぶ鳴き声も半分以下に減ったのです。


抗ストレスホルモンが抑えられた
ラクトフェリンの抗ストレス作用は、生化学的な側面からも検証されています。
通常、人でもラットでも、ストレスが加わると、血液中に抗ストレス作用をもつ副腎皮質ホルモン(コルチコステロン)が増えます。ところが、ラクトフェリンを与えてからストレスを加えた赤ちゃんラットでは、このホルモンの分泌が抑えられていたのです。

大人にも効果が期待できる
さらに原田らは、成熟したラットにラクトフェリンを食べさせた場合でも、抗ストレス作用が得られることを、以下のような実験で確認しました。
電気が流れるシートを敷いた箱の中に成熟ラットを入れます。そして、警報音を慣らすと同時にシートに電流を流して電気刺激を与える、ということを何度かくり返します。
すると、成熟ラットは電気刺激を受けなくても、警報音を聞いたり、箱に入るだけで、金縛りにあったようなフリージング状態を起こすようになります。
しかし、前もって成熟ラットにラクトフェリンを与えておくと、箱に入れただけでフリージングする頻度は明らかに減少し、警報音に対する反応もやわらいだのです。
こうしたラクトフェリンの抗不安作用は、恐怖心が高まっている状態のときに強く発揮され、逆に恐怖心がないときはほとんど作用しないことも、原田らの研究で明らかになりました。
体が非常事態のときだけ選択的に効くというのは、体への負担が少ない、とても好ましいものです。

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