免疫細胞を活性化するベータ・グルカン

多糖類が免疫システムを強化して病原菌の侵入に勝つ

小松 靖弘 著 2005.09.19 発行
ISBN 4-89295-606-6 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


さまざまな感染症を防止する

免疫細胞を活性化するベータ・グルカン

感染症を引き起こす病原微生物
感染症は、病原微生物が体の表面や体液に付着したり、定着することで発症します。
病原体は体に侵入して増殖し、直接体に障害を与えるだけでなく、毒素を分泌して疾病を引き起こすことも珍しくありません。
ヒトに感染症を起こさせる病原体には、ウイルス、細菌、真菌、原虫などさまざまありますが、恐いのは気づかないうちに感染していて、それとわかったときは、症状がかなり進行しているというケースがあることです。
感染には、感染源に触れたり、飛沫などによってもたらされる「直接感染」と、蚊などが媒介して引き起こされる「間接感染」がありますが、いずれにしても、食欲不振や体調不良など、体の抵抗力が低下しているときに発症しやすいことはいうまでもありません。
ベータ・グルカンには、こうした感染症に対する予防作用のあることも明らかになってきています。

ウイルス感染を予防
韓国のソウル大学獣医学部のJung博士は、パン酵母由来のベータ・グルカンを使って、抗ウイルス効果について実験を行なっています。
子豚にブタ・インフルエンザ・ウイルスを感染させて、肺炎の症状を起こさせ、それに対するベータ・グルカンの作用を調べるものです。
まず、生後5日目の子豚40匹を10匹ずつ4群に分けました。そして、1群と2群には毎日50rのベータ・グルカンを、ウイルス感染させる3日前から与え、3群と4群の子豚には酵母培養液を与えました。
さらに1群と3群にはウイルス感染細胞培養液を経鼻感染させ、2群と4群には細胞培養液の上澄みのみを経鼻投与しました。
その結果、ベータ・グルカン投与群は対照群(非投与群)に比べて、肺炎の症状は明らかに軽微であることが認められました。
また、ウイルス感染後、子豚のウイルス核酸量を測定したところ、ベータ・グルカン投与群の方はその量が低下しており、インターフェロンと一酸化窒素の量は高値を示した、と報告しています。
「これらの結果から、パン酵母ベータ・グルカンは、インフルエンザ・ウイルス感染に対して、予防措置に有効であることが示されたものといえる」と結論づけています。
このほかにも、他の研究者により、マウスを使ってインフルエンザ投与後の生存率を測る実験や、ラットをモデルにして病原菌(大腸菌や黄色ブドウ球菌)投与後の生存率をみる試験などが行なわれていますが、いずれのケースでも、ベータ・グルカン投与群の方が生存率は明らかに高いという報告がなされています。


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